つかさの自由帳

140文字では伝えきれないこと:自由について本気出して考えてみた


リバタリアンが仮想通貨に惹かれる理由と未来の形

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  • ビットコインとリバタリアン

ビットコインをはじめとした仮想通貨は、日本においてはどちらかと言えば投資や投機目的で盛り上がっているイメージですが、思想的にもとても強力な背景を持っています。サトシ・ナカモトという正体不明の人物が考案したビットコイン、その黎明期に彼の活動を支えたのは技術オタクであるギークや、何よりも自由を重んじるリバタリアニズムという思想を持った人々(リバタリアン)でした。

リバタリアンは何よりも自由を重んじるが故に国家や企業などの中央管理者からの統制を嫌います。特に国家は徴税権を行使して個人の自由の最大の証たるお金を巻き上げていきますので原理主義的なリバタリアンにとっては不倶戴天の敵と言っても差し支えありません。しかしブロックチェーンのような自律分散型のネットワークは初めから国家のような中央管理者を必要としません。例えばビットコインが普及した未来の社会ではもはや通貨発行権を一手に握る中央銀行は必要なくなるのです。そしてこの考えをさらに拡張していくと、もしかするとありとあらゆる中心は溶かすことができるのかもしれないのです。リバタリアンがブロックチェーンという技術に心躍らす理由はまさにこの点にあります。

 

  • 既に銀行業界はヤバいという話

まずご承知おきの通り、中央銀行のみならず、銀行やベンチャーキャピタルは既にその存在を脅かされています。海外送金はビットコインの方がはるかに安く手軽に済みますし、企業への資金供給もIPO(新規株式公開)の仮想通貨版であるイニシャル・コイン・オファリング(新規通貨公開=ICO)によって取って代わられようとしています。

jp.reuters.com

 

ICOの素晴らしい点はIPOと異なり誰にでもその門戸が開かれていることです。IPOは証券取引所の厳しい審査をクリアした一部の企業にしか認められませんが、ICOの場合は人々の支持を集めることができれば、そこらへんのカフェや居酒屋の開業資金としても使うことができます。実際Twitterではサンタルヌーというベルギービールを提供するお店がICOによって東京への移転資金を獲得していました。

【ICO後の予定】
返金対応も含めこちらをご参照ください。https://t.co/JZAhBAfR87
返金申し出は7月中に行って頂けると助かります。

最短の移転は11月、おそらく1月のオープンになるかと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。#サンタルヌーICO

— サンタルヌー@名古屋ベルギービール専門店 (@StArnouldnagoya) 2017年7月25日

 

ここまでは仮想通貨という名前からも簡単に想像できる部分で、通貨の画期的な技術=金融業界がヤバいってのはなんとなく理解できるところだと思います。しかしブロックチェーンがもたらす影響は金融業界だけにとどまりません。

 

  • ブロックチェーンが取って代わるモノ

Ethereum(イーサリアム)というビットコインの次に時価総額の大きい仮想通貨があります。これはブロックチェーン上にありとあらゆるプログラム(イーサリアムではコントラクトと呼ばれる)を走らせることができる仮想通貨で、その特性ゆえに「ワールドコンピューター」とも呼ばれています。これが意味することはつまりPCやスマホで動くWebサービスはイーサリアムのブロックチェーン上でも同様に展開することが可能ということです。

 

従来のプログラムで動く様々なWebサービスは中央管理者がいるために広告を貼ったり、課金したり、手数料をピンハネしたりと様々な形で利用者からサービス料を徴収します。またTwitterやFacebookでアカウントを作成したとしても、運営会社の裁量ひとつでアカウントは停止に追い込まれますし、Google神の逆鱗に触れればWebサイトの検索順位は奈落の底へと落とされます。もちろんWELQやcopyサイトのようなクズサイトの順位を落とすことは合理的だと思いますが、その基準が分からないというのは恐ろしいものです。

 

しかしイーサリアムをはじめとした仮想通貨で動くプログラムにはそういった中央管理者は存在しません。あえて言うならば中心にあるのはプログラミングコードで、まさしく「Code is law」なのです。しかもそのCodeは全世界に公開されており、インチキや不正があれば誰にでも分かるようになっています。

 

既にブロックチェーンを用いたアプリケーションとしてメッセージアプリやブラウザ、SNS、クラウドソーシングからクラウドファンディング、そしてシェアリングエコノミーに至るまで、様々なプロジェクトが登場しており今後も数多くのアイデアが試されていくことでしょう。そしてこうした新しいブロックチェーンの取り組みを耳にするたびに、大きな組織の中心が崩壊していく音がリバタリアンには福音として聞こえてくるのです。

 

ところで金融業界はともかくWebサービスを考えた時に「通貨」の役割はどこにあるんだろう?と思うかもしれません。この点についてはとても大事な部分ですので次回以降に改めて論じてみたいと思います。ちなみにビットコインではマイニング(採掘)という取引の承認作業を行うことでビットコインを獲得することができますが、これは個人のインセンティブがネットワークを正しく機能させるために使われるという意味でとても画期的です。つまり個人の利益=公共の利益となるわけですね。あれ、なんか未来の入り口が見えてきたと思いませんか?

 

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